2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「なあ、サンジ」 ……悪い、今忙しい。 「雨降ってきたみたいだぞ」 ……そうかよ。 「ウソップの奴、ちゃんと傘持って行ったかな……」 ……あいつはおまえと違って、そういうことには目端が利くだろ。 「そうか、そうだな。……うまく行けば、おカヤの店で雨宿りさ…

ロケットマン買ってきた!

表紙は以前、コンビニでジャンプ買うとついてきた巨大ポスターのイラストですな。 実は私のねぐらのドアの内側には、このポスターが張ってあるので(でかすぎるから二つ折りだが)、毎日イヤでも見るイラスト。船長の眩しい笑顔と、チンピラ臭いサンジさんが…

私信とかいろいろ。

昨日の蛙さんの誕プレに、お返事返歌をいただきました。わーい! エビでタイを釣ってばかりですいません(笑) ここを見てくださってるとのことなので、私信・Kモメさんへ! メールサンクスです。お返事書いてないけど拝読してます。 リンゴちゃん(safari)…

くちびるに錠前

差し出された皿を見て思わず歓声を上げたら、サンジはしいっ!と指を唇に当てて、眉をしかめた。 「いいかルフィ、これは特別なんだぞ。おまえが空腹のあまり計算外のものを喰ったり、ストレスで暴れたりして、ナミさんにご迷惑でもかかったら申し訳ないから…

ショックであるようなないような、それがまたショックなような。

どこから思い出せばいいだろう。 多分最初は、多くの方々と同じように、1冊の文庫本だったと思う。 猫科の猛獣の顔と、少年とも少女ともつかぬ美しい二人の子どもが描かれていたのを、今でも覚えている。 なにげなく読んで、そのまま勢いのうちに最新刊まで…

あきらめる(都々逸1)

キュッと音を立てて最後の皿を拭いてから、テーブルの方を見やると、麦わら帽子はまだそこにあった。 「……いい加減に諦めろよ、ルフィ」 できるだけ酷薄な口調になるように、気をつけて声をかける。 だがルフィは、どこ吹く風と言わんばかりの顔だ。 「諦め…

ヒッポカンパス

指をぱちりと鳴らすと、周囲は青一色に包まれた。 能力者を誘うことも溺れさせることもない幻影の海に、無数の魚達の横腹が銀色に閃く。 「……ま、今日の舞台設定はこんなもんか」 ようこそ、ここは「ヒッポカンパス」。 劇場であり遊園地でありレストランで…

雷鳴

突然炸裂した光に、ルフィが驚いたように目を瞠る。 その瞬間、何かが切れた。 乱暴に抱き寄せて抱きしめて、顔を見下ろす。 まだ驚いた表情のままのその顔に、最初のキスを落とした。 雷鳴が響く。まるで遅すぎる警告のように。 ☆☆☆ 昨夜は遅くまでたくほさ…

少年の日 春(エール/ネタバレ気味)

記憶をたどれば、目に浮かぶのは薄闇。 慌ただしく動き回る大人達。 ──おめでとう。いい兄貴になれよ、 そう言って頭に手を置いたのは、あれは誰だったろう。 ジジイか、村長か、それとも。 次の瞬間おれの記憶の中で、闇は一気に弾ける。 生まれたての赤ん…

少年の日(秋)

わかんねェわかんねェ。 目は心の窓とか言いやがった、どっかの大バカ野郎に今会ったら、吊るし上げる自信がある。 目なんかで、なにがわかるもんか。 あいつの三白眼はあんなにでっかいのに、何を考えてるのかわかりゃしねェ。 おれのことを嫌いじゃない、…

ねむい

水面下の件ですが、一応だいたいの打ち合わせが終了したので、そのうちに結果が出るかと思います。 あとは任せたお頭。 明日は久々に遠出の仕事が入っているし、なんとか研究所の更新も終了したので、今日は早めに寝ようと思います。 このところ、どうも眠り…

Wednesday's child is full of woe.

有名なマザーグースの一節です。谷川俊太郎訳では、「べそをかくのはすいようびのこども」。 あまりいい生まれ曜日ではないような気もしますが、本日こんな解説(?)を見つけました。 「Wednesday's child is full of woe. You are a serious person, and t…

ごそごそ

ご存知の方もおいでと思いますが、水面下でちょっといろいろ動いてます。 いろんな方と連絡とったり、思わぬお話を聞いたりで、キャパがかなりいっぱいいっぱい。もともと社交的なタイプじゃないからなあ…。 でも、好きな人たちと好きなこと(この場合はサン…

鎖、縛る、枷、束縛、隷属、連鎖、一連の、監禁する、鎖に繋ぐ

足りないものは、あとひとつだけだ。 あいつが腹を減らして、キッチンに来る時間帯はわかっている。 包丁は常に研ぎすましてある。 シロウトには正体のわからない粉末だの液体だのはキッチンに山ほどあるし、おれの演技力は七武海のお墨付きだ。 そしてなに…

宇宙から江戸まで

じっとしていても惰眠を貪るだけに決まってるので、一念発起して両国へ。別に大相撲グッズが欲しいわけではない(面白いから売ってるのは見たけど)。 江戸東京博物館で開催中の「手塚治虫展」、先日行き損ねたからリベンジ。 ついでなので音声ガイドを借り…

糾える縄

相変わらず微妙に落ち込み気味です。 辛い話を聞いて泣きそうになる一方、嬉しい知らせも来たりして、まさに禍福は糾える縄、人間万事塞翁が馬、とか痛感したり。 今苦しんでいる方の苦しみが、早く幸いに転じますように。 本日の買い物 魔夜峰男新刊四冊/…

手紙(銀魂/トッシー×土方?)

カラーボックスの奥に見つけたのは、少し色褪せた封筒だった。表書きにはただ一言、「十四郎へ」。「……」新しいタバコに火をつけ、畳に胡座をかいた。──十四郎へ。この手紙を見つけてくれたってことは、僕のお勧めDVD『ミラクル・フェアリー・プリンセス☆』…

オレンジ・レディ(サンナミ気味?)

「サンジくん」 ナミさんに声をかけられたのは、非常食ならぬ船医を迎えた宴の最中だった。 「何ですか?ナミさん」 酒肴を準備する手を止めて、とびきりの笑顔を作る。 「もう背骨は大丈夫?」 「心配してくださるなんて、なんてお優しい!貴女のお言葉あれ…

ショーック……orz

以前、ある方に、「サンジ(またはゾロ)がルフィを本気でレ●プしようとしたら、どうすればいいと思う?どう考えても、正面から押し倒すのは無理だよね?」と聞かれ、検討の結果いくつかの答えを出したことがある。 そのうちの答えの一つが、以前ちなこさん…

愛する人(ルフィ)

危うく、世界を失いそうになった日のことを覚えている。 海の中に突き落とされ、怪物に襲われ、息も絶え絶えに見上げた波と空が、とてもきれいだった。 ……そしておれを抱きしめた、シャンクスの赤い髪は、それよりももっともっときれいだった。 今日、おれは…

頂点(サンル)

ベッドの中で息を整えながら、ときどきルフィはおれにねだる。 「なァ、サンジ。オールブルーの話をしてくれよ」 もう何度も話したろ、と言っても、我侭な船長さまは決して納得はしない。 「だっておれは、サンジの夢が好きなんだ。……あと、オールブルーの話…

覇王樹(ウソップ+ルフィ)

ビビの故郷へ続く砂の海は、まだ果てが見えない。 昼間の灼熱とは打って変わった冷気から身を守ろうと、毛布をふかく被ろうとしたところで、するりと誰かが懐に潜り込んできた。 「ウソップ、一緒に寝ようぜ!」 「……ルフィかよ」 別に断る理由もない。身を…

血と炎と大地の色

「レッドクリフパート2」を観ました。実は1を観てないので、どーしよーかと思ってはいたのですが、白井恵理子の「劉備くん」新作を読んだりお頭のブログ見たりで、やはり観たいかなと。だいたいの筋は知ってるはずだし。で。まずは孫権が主人公より美形で吹…

大宴会(シャンクス+ルフィ)

一番大きな風車が水平線に消えた。 ちっこい頭に余る麦わら帽子の下からこちらを見送るガキの姿は、もうとっくに見えない。 「そんなに気になるならさらっちまえばいいのに」 そう言ったのは、ルウだったか。 「ガキなんか連れていけねえさ」 ヤソップの声の…

日本一の大泥棒

「GOEMON」観ました。しょっばなに、どーみても戦国では無理だよね?な大玉花火が上がるわ、鍵すらままならない時代じゃね?なのにダイヤル式巨大金庫があるわ、挙げ句に商人の名が「紀伊國屋文左衛門」!こりゃー「時代考証?それっておいしい?」な…

頬の傷(エール)

監督不行届を謝るという名目で、弟を背負ってきた赤髪のおっさんを追い払うと、小さな家は一気に静かになった。 ベッドに突っ込まれた弟は、ひどく不満顔だ。 「なんで寝てなきゃいけないんだよ!」 うるさく喚くのは無視して、額に手を当てる。やはり、いつ…

伝説(ビビ+ルフィ)

世界の太初は、波の起こることのない暗黒の海。 やがてそのなかから、自ずと一柱の神が立つ。 彼はおのれの足の立つ場として陸を作り、空虚と湿気を吐き出し、やがて天と地が生まれ、宇宙が形成される。 ──ねェ、それから?それから、どうなったの、ペル? …

仲間(チョッパー&ルフィ)

血にまみれて、半分凍ったニンゲンの男は、一緒にいた二人のことを「ナカマ」だと言った。 必死にドクトリーヌの服をつかもうとする、爪のはがれたその指先を見るだけで、そいつがその二人のためになにをしたかがわかった。 おれの知っているナカマとは、背…

一番好きな…(ルナミ)

一番好きなのは、お金とみかん。 私の思い出せる一番古い記憶は、晴れた日のみかん畑。 ノジコの笑い声と、ベルメールさんのタバコのにおい。 その手の中には、甘くて酸っぱい、小さな太陽のようなみかん。 ……ねェ、だから。 私があんたを嫌う訳なんかない。…

太陽楽団(ブルック+ルフィ…一応)

「仲間になっていいですか?」 最初の勧誘に頷いたとき、私にあったのは人恋しさだけだった。 生きた人間の声というメロディー、肉の身の刻むリズムに飢え果てていた。 ──今は。 今は、違う。 私は彼らを知っている。 旋律の底を支える力強いドラムのような…