2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

四次創作:無題(逆裁/ミツナル/パラレル/人様の褌/人外ネタ)

ひたひたと、水のように闇が満ちる。聞こえるのはただ、荒野を抜ける風の音。朽ちかけた荒野の古城を、人は呪われた城と呼ぶ。陰惨な伝えの染み付いた石壁は崩れかけ、宿を乞う旅人とてない。──月が射す。コツリ、と。石床を踏む、硬い靴音。「……ナルホドウ…

敵船コメントよりサルベージ(ヒグマ×ルフィ)

ると、少年の肩がびくりと震えた。「なにが、海賊だ。あんな腑抜けが長とは笑わせるぜ」あえて雑言を吐いたのは、それが少年を激昂させるとわかっていたからだ。あの目を見、その配下の力を見た今、赤毛の男を侮る気持ちは揺らいでいる。だが、おのれの力の…

夢の夢──翌檜サラダ──(チビナス×サラダ)

【IF──もしも、】天使が降りてきたのを見た。太陽の光を背負って、おれを見下ろす天使は、レディの姿をしていて。にっかり、と笑って言った。「おまえはいいコックだから、私と一緒に海賊しよう?」……あれ?なんでおれ、こんなことを思い出してるんだろう………

リング(エール現パロ)/更新

「ほらよ、土産だ」 細長い紙箱を放り出してやると、弟の目ははっきりと輝いた。 「ドーナツ!食っていいのか、」 「当たり前だ。……サボに見つかると、飯前のおやつはどうとかうるせェから、とっとと食っちまえ」 にやっと笑ってやると、ルフィは無邪気な、…

小ネタなしでスミマセンが大宴海お知らせ。

昨日の日記で書くつもりが、文字数キツかったので本日に回りましたw 表題の通り、大宴海でスペースいただいております。 いつも通り、サイト名=サークル名、メインはサンルでございます。 周りは例によって神々の宴なので、お気が向いたら休憩にお立ち寄り…

四角い卵(遊郭ネタサンル)

鬼の霍乱──などとからかうと、粗末な布団の下で、少年の頬がむうっと膨れた。 「おれのせいじゃねェ!昨夜、ワニが無茶しやがったせいだ!」 「……ふーん、そうかい」 慣れぬ異郷の、ましてや慣れぬ男娼館に住み込んだのは、金のため。 次の異郷へ渡るために…

薄闇(サンル)

一戦終わった後、未練がましく黒髪を撫でる。 船倉の床に、おれの上着を敷いたまま、素っ裸で転がっている船長は、しばらくおれのしたいようにさせていたが、やがて身をよじって手を避けた。 「……イヤか?」 「……」 薄闇の中に、底知れない闇のような二つの…

笑(ゾロ誕/ゾロ、ミホーク)

「……おかしなことを訊くのだな」 鷹の目は、その名の通り、猛禽のような目を僅かに眇めた。 「それが重要なことか?」 「ああ。──少なくとも、おれ『達』には、な」 「……」 あえて含みを持たせた答えに、鷹の目は少しの間口を閉ざして、それから少しだけ、笑…

飢餓(サンルパラレル、ウサギルフィネタ)/はぴば

しばらく留守にせざるを得ない、とわかったとき、まず用意したのは食い物だった。 おれは「ウサギ」を飼っている。正確には、保護している。 金持ちどもが愛玩用に、人間のDNAをどーとかしたとかいう、奇妙で悪趣味で高価な生き物。未成熟な少年の体に、ウサ…

掌(サンル)/大宴海お知らせ

「『サンジ、好き』って言ってくれよ」 「好きだぞ、サンジ」 「『愛してる』って言え」 「……アイシテルぞ」 「『気持ちいい』って、言って?」 「すげー、きもちいい、……サンジ」 「……『もっと』って言え、ルフィ……!」 「もっと、もっと、……サンジ!」 「…

みんなは一人のために

一人はみんみんぜみ!……というギャグがわかる人はもうほとんどいるまい、と思いつつ。「カイジ」で勢いづいたので、連日で映画。「三銃士」を観てきました。もとより三銃士が大好きなので、映画化と聞けば観に行かざるを得ないのですが!正直、今回の三銃士…

勇気、度胸、覚悟

気がついたら麦わらチェイス以来映画を観てない。これはいかん、と、映画館に行ってきました。インプットなしでアウトプット続けるのは無理。時間と自分の興味を混ぜると、可能なのは「カイジ2」かな、と。無印の方は以前に観て、たいへん怖かったのを覚えて…

スープ(サンル)

ああ、夜食のスープが冷めちまうなあ。 サンジの作ったスープはそりゃ美味いから、冷めたって美味いけど、でもきっと、作りたての今よりはまずくなる。 メシをまずくして食うなんて、たぶんサンジには我慢できないと思う。ていうか、おれが我慢できない。 「…

飛ぶ(他ジャンル/聖闘士星矢/ザク氷のつもり)

上も下も、右も左も、すべてが青い。 湿気を含んで重い翼を羽ばたかせ、眼下を見下ろす。 遙かな青のその果ては薄闇に溶け入り、時折ちらちらと揺れるは影と光。 ……いつものように、飛ぶ夢を見ている。 「──きっと、あんな風に世界が見えるのだと思う。……白…

わんわんわんでわんこルフィサンル

週に一度の、夜のデート。 なのになぜか、今宵の恋人は元気がない。 用意したご馳走も、とっておきのお散歩コースも、恋人にちゃんと笑顔を浮かべさせることはできるのだけれど。 その笑顔は、すぐに雲に隠れてしまう。 「……どうかしたか?ルフィ」 聞いても…