2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

逢うた夢(都々逸11)

──ッッ!! ──……ルフィ? 飛び起きた彼は、まだはっきりと目覚めてはいないようだ。 しきりと目を瞬くそのさまは、とても黒豹を退ける勇者には見えない。 ──……あれ?ここ、どこだ……?みんなは? ──みんな? ──うん。……みんないたろ、そこに、さっきまで……ゾ…

ディオスクロイ(ジャンプネタバレ、エール/ルエー?女体化?オリキャラ?)

「あした、海に出るわ」 「……そっか」 「淋しい?」 「別に」 初めて彼女に会った時のことを思い出す。 三歳年長である筈の少女は、やわらかな微笑みでルフィを迎えた。……その片割れとは、対照的に。 「私は、淋しいわ。ルフィ」 「エースと一緒なら、淋しく…

behind the scenes 3(N)

「……困ったわ」 電話を切って、ロビンが呟く。 どう聞いても、全く困ってなどいない口調。 「困ったって、何が?」 カクテルグラスを揺らして水を向けると、彼女は同性でも見とれるような笑みを浮かべる。 「……どうやらあの二人がうまくいったら、この店はウ…

behind the scenes 2(R)

『──おい、行ったぞ』 むっつりとした声が、受話器から聞こえる。 「ありがとう、部長さん」 『……その呼び方はよせ』 電話の向こうにいるのは、古い知り合い。 瞼の裏に浮かぶのは、学生服を着た、野性的な瞳の少年。 「ごめんなさい。この間見た、あなたの…

祝復活「Stop And Stare」―behind the scenes 1(Z)

ぷるる、と、携帯が震えた。 ちらりと着信を見て、ボタンを押す。 「……おれだ」 耳元に、賑やかなクリスマス・ソングが響いた。 視界には、巷の喧噪とは無縁の、年末進行中のオフィス。 もう少しで日付が変わる、こんな時間まで残るのは、おれと、少々問題児…

白ひげの「マーク」の意味

初めて我々読者の前に現れた、見知らぬヒーローの「兄」は、背に徴を負っていた。 髑髏に鉤十字。 大海賊「白ひげ」の徴とされたそれは、後に国際的配慮からデザイン変更されるが、基本的なイメージは変わらない。 髑髏に十字。 この徴から想起される、非常…

エースのことを考えてみる

最初に現れたのはドラム。 唯一の父と慕う人の任務中、先を急ぐ旅のさなかにありながら、「弟」の消息を追っていた。 その手には、新世界でしか作れないビブルカード。自分が持っていても意味ないそれを、「弟」に渡すために。 「出来の悪い弟」の自慢を「さ…

もも(都々逸10)

何だか寒ィ、と訴えると、サンジは夜食の皿を一旦床に置き、おれの額に手を当ててから、腕組みした。 「熱はねェみたいだな。……晩メシのサクラを食い過ぎたせいじゃねェか?」 「サクラ?」 「馬肉だよ、あれは身体を冷やすからな。お前、一頭分くらい一人で…

初めての運び屋

さて、最近、「映画好き」と呼んでいただけることがある。ありがたいが誤解である。私が好きなのは物語であって、その表現方法が小説だったりマンガだったり映画だったり稀には舞台だったりするだけだ。だから未だに役者さんの名前もろくに覚えてないし、顔…

物語の価値(やや毒舌かも)

近所の本屋で、某Tガシ先生の「レベルE」が平積みにされているのを見た。 へえ今頃?とよくよく見ると、POPに「完結してます」と書いてあった。 思わず吹いた。 まあ確かに今のTガシ先生のことを思えば、それは重要な情報かもしれない。 しかし、ちょっと引…

ちょっと心温まる記憶

買ってきたぞー、夏コミカタログ! かつて某ジャンルメインで買い専をしていた頃のこと。 私の神サークルさんがあるときお出しになったのは、ちょっとした辞書ほどの厚みのある本だった(当該ジャンルは長編小説を書く方が多かったが、それにしてもすばらし…

団扇づかい(都々逸9)

この船に乗って覚えたことのひとつ。 『拙速は巧遅に勝る』 ──けだし、名言だ。 宵の口、剣豪がふらりとキッチンに現れる。 「おう、酒よこせコック」 こんな客に、手の込んだ皿を出すのは無意味だ。 言葉も交わさず目も向けず、安酒を出し、頭の中のレシピ…

口上(エール、ダーク気味、最新号ネタバレ)

さァさ、寄ってお行き、見てお行き。お代は見てのお帰りさ。 これなるは、世にも稀なる因果物。 そもこの身の父なるは、世界の正義を嘲笑い、己勝手に海を荒らしし、罪人の中の重罪人。 鬼の女房は鬼神のたとえ、その罪人の連れ合いは、正義に抗い、腹に身ご…

新茶室

昨日、突発的にチャット企画を立て、いざ会場に行ってみたらサービス終了してたおおまぬけですこんばんは。 お頭に泣きついてみたところ、さっそく新しい茶室を借りてきてくれましたが、幸いにも連休を利用して実家に戻っていたので、昨夜はそのままPC利用の…

起請(ルロビ)

探すのはわけもない。 ガレーラ・カンパニーのプールサイドに累々と倒れる酔っぱらいたちの高鼾のなか、ひときわ高い皿の山を探せばいい。 その側に、彼は必ずいる。 朝焼けのせいか、酒気のためか、僅かに赤らんだ頬に触れてみる。 安らかな寝息を乱さぬよ…

おねがいがあります!(キリッ)

遊んでください(マジメに)。 明日は久々の土曜ジャンプ発売ですし、ワンピ展開的にいろいろと語りたい時期でございます。 思えば感謝祭チャットも、5月の大祭以降さっぱりお見限りでございました。 というわけで、先ほど思い立って、感謝祭の掲示板に待ち…

流行に乗ってみる

どうやら世間様では、ドラクエが流行っているらしい。 ナウなヤング的には、これを見過ごすわけにはいくまい! (ごそごそ) …あったあった、「ドラクエ3」!やはりドラクエは、システムは3、ストーリーは5、難易度は2だよね! え?9?私はドラクエ7がクリア…

心のいと(都々逸8/ルフィ)

見上げると、濃い緑の向こうに、青い空が見えた。 胸の底から笑いがこみ上げる。だから、無理せず口から出した。 「ししし……」 返ってくるのは沈黙。 笑い声も、怒声も、呆れたため息も聞こえない。 胸と頬と、唇の筋肉が疼く。おれの体はまだ、何かをしたい…

「所長」の裏日記

※本日の日記は愚痴的要素を含みますので、イヤな方はバックプリーズ。 (メモ1) おお、萌えてくださりありがとですS水さんv いーよね英語セリフ! そしてもちろんエール祭りは絶賛開催中です(笑) いや、今はサンルに集中しないとならぬのですが! (メモ2)…

英語版ONE PIECEのススメ

さて、昨日は久しぶりに新宿へ行ってきたわけです。 私は新宿には滅多に行きませんが、行けば必ずすることがあります。 それは、駅前の紀伊國屋書店で、英語版『ONE PIECE』を揃えること! 英語版は、店によって価格がまちまち(千円前後)なのですが、私が…

個人的萌え考察

「どろろ」舞台版、「新浄瑠璃百鬼丸」を観てきました。 何度か書いてますが、私にとって「どろろ」は特別な物語です。とりわけ現行コミックでは消滅した、主人公二人は肉体を共有する存在である、という設定にずっと萌えています。 個人的にこれは、ルゾロ…

とか何とか言ってましたが

昨日の日記をつけたあと、ねぐらに帰投すると、家族が泊まりにきてました。 や、それは予定通りですが、予定外だったのは、家族が「明日の朝はすごく早起きしないとならない用事がある」と言い出したことですorz まあ私は寝てていいよ、と言われたのですが、…

ぐらぐら

仕事でいつもよりちょっとだけ早起きが必要だったので、念のために携帯を目覚まし設定して寝たところ、案の定夜中に目を覚ましまくり、設定時間の30分前には覚醒していたMIYEですこんばんは。 「この時間に起きなきゃ遅刻しちゃう!」的なシチュエーションで…

ただ何となく(都々逸7/シュライヤ×ルフィ)

なあ爺さん、考えたんだが。 「ウォーターセブン」に行かねェか。 ……正直、賞金稼ぎで三人食っていくのはどうかと思うんだ。 あれは、無くすものが自分の命以外、何もない奴がやることだと思う。 例えば今のおれなら、ガスパーデと戦う気にはならない。 ──だ…

ぐはあ

えーととりあえず、ガレーラ副社長ことパウリーさん、お誕生日オメ! 実は、次の都々逸お題がどう解釈してもサンルにあてはまりそうにないので、パウ誕を祝してルチパウを書こうと思ってたのですが、書き出した途端にブラウザが落ちてモチベーションだだ下が…

early summer day

黄色い髪の子どもは、「しょうがっこう」から戻ってきてから、なにやら忙しげだ。 本を片手にうろうろと、庭に出たり入ったりしては、空を見上げている。 落ち着かねェなチビナス、とゼフが声をかけると、だって雨が降らないか心配なんだ!と、甲高い声が返…

振り返らない

「……随分とまあ、思い切ったもんだよい」 呆れたような声が頭上から降ってきた。 「──ほっとけ」 背中が熱い。灼けつくように。 「ケツの青いガキが、粋がるもんじゃねえよい。……数日はまともに動けねェよ」 「──知ってる」 誰に命じられたのでもないし、強…

ふたりで。

「MW」を観てきました。手塚治虫ファンとしては、見逃すわけにはいかんのぢゃ。たとえ腐り目線的に美味しいところが、スッパリカットされていると知っていても!〈あらすじ〉16年前、米軍の毒ガス兵器が小さな離島で漏れ、島民の大部分が死ぬ事故が起きた。…

なんだろう…

例によってアニワンと買い物以外眠り倒し、夕方もそもそと外出。本日の目的は、「MW」鑑賞。 感想は例によって避難所に。 しかしなんか、映画が始まってからちょっと具合が悪くなる。 なんだろう…疲れてんのか、なんか食い物に当たったか、それとも物語に酔…

後悔

最後の理性で、体を離した。 見下ろしたルフィの表情には、驚きも焦りも見えない。いつも通りの、暢気な笑み。 「どうした、サンジ。やるんじゃねェの?」 「……何されるのか、わかってんのか?」 問い返すと、ひょいと小首が傾げられる。 「……なんとなく」 …