behind the scenes 3(N)
「……困ったわ」
電話を切って、ロビンが呟く。
どう聞いても、全く困ってなどいない口調。
「困ったって、何が?」
カクテルグラスを揺らして水を向けると、彼女は同性でも見とれるような笑みを浮かべる。
「……どうやらあの二人がうまくいったら、この店はウワバミに飲み尽くされてしまうようよ」
彼女に頼まれて、サンジくんを焚きつけたのはつい先ほどのことだ。
人の恋路に口を出すなど、彼女らしくもない──とは思っていたが、どうやらその違和感は当たりらしい。
「『フルール・ド・フルール』のロビンが、元カレのために動くとは思わなかったわ」
いかにも意外だ、とばかりに言ってやると、ロビンはグラスを出しながら、やわらかい笑い声を立てた。
「そんなんじゃないわ。……でも、そうね。もし懐かしい人から、『おい、まさかと思うがあの女好きのグル眉、今オトコと同居してたりしないだろうな!?』なんて電話が入らなければ、私は干渉しなかったわね」
「ふうん……知り合いなんだ、サンジくんと、そのウワバミさんと」
「……昔、ね」
振り返ったロビンの手には、シャンパンのグラス。
「さあ、ナミ。まずは乾杯して、それからウワバミ対策を一緒に考えてくれる?」
「MERRY CHRISTMAS──聖なる夜と、そしてすべての恋人たちのために」
私とロビンのグラスがキスをすると、金色のシャンパンは、太陽の光のかけらのように煌めいた。
☆☆
というわけで、脇役達の出番は一旦終了。
アイデア源となったharukiさんのイラストは、ゾロ部長が夜景を見下ろしつつ「サンジ…」と、ルフィの口から聞いた「友達」の名を呟いてる、というものです。
「え、これはライバルの警戒?それとも実は知り合いとか?」
とお伺いを立てた私に、harukiさんが
「ご想像に任せます☆」
とおっしゃってくださったので、ご想像に任せてみました(笑)
サンジとロビンとゾロは昔なじみ、ってことで。作中、サンジとゾロが顔を会わせるチャンスなかったもんな…。
ちなみに同じイラストから、水城ひかるこさんが、ゾロル編をひとつものしておいでです。
(メモ)
拍手ありがとうございました。