祝復活「Stop And Stare」―behind the scenes 1(Z)
ぷるる、と、携帯が震えた。
ちらりと着信を見て、ボタンを押す。
「……おれだ」
耳元に、賑やかなクリスマス・ソングが響いた。
視界には、巷の喧噪とは無縁の、年末進行中のオフィス。
もう少しで日付が変わる、こんな時間まで残るのは、おれと、少々問題児な部下だけだ。
『こちらは、予定通りよ』
艶を帯びた女の声が、耳を打つ。
『〈仔ネコちゃん〉の方も、お願いね?』
「……ああ」
携帯を一度置いて、声を上げる。
「おい、ルフィ!」
「はっ、はい、部長!」
急に呼ばれて驚いたのだろう、ガタガタと机上のものをひっくり返しながら、部下がこちらを振り返る。
「お前、もう帰れ」
「え?……でもまだ、」
「根を詰めても能率は上がらん」
こいつが帰りたくない理由はわかっている。
だがそれを動かすのが、今のおれの〈役目〉だ。
しゅんとうなだれ、部下はもそもそと帰り支度を始める。赤いマフラーを巻いて、タイムカードを押し、ぺこりと一礼する。
「……じゃあ、お先に失礼します」
「ああ……ちょっと待て、ルフィ」
「はい?」
『ヒントは、なしよ?』
受話器の向こうの女が、くすくすと笑う。
ヒント、な。
こいつのおつむで、ヒントになるか?
「MERRY CHRISTMAS……1時間ほど早いがな」
この世界にはまだ、サンタクロースがいるらしい。
(続)
☆☆
なんでこのクソ暑いのに、クリスマスの話だ私!
半年以上、連載が止まってたからだろうがよ!(自問自答)
というわけでー。
「COOL RUBBER」(現在閉鎖)さまでリレー連載されていた「Stop And Stare」が、このほどめでたく「船長感謝祭」にて復活致しました。
※あらすじ:「友人」サンジと同居する新人リーマンルフィ。ある日、「上司」ゾロ部長と呑みに行ったら、ベッドで全裸になる羽目に。どう出るサンジ!ゾロ部長の真意やいかに!
というわけで、記念として、個人的裏設定で「その日のゾロ」を書いてみたり。
ご興味持ってくださった方は、是非とも感謝祭へ。ただしオトナ限定なのでご注意を!
>keiさん
スルーしないでくれてありがとうございます。すごく嬉しいです!
これからもよろしく。でも草葉の陰はダメ(笑)!
(メモ)
拍手ありがとうございました。