敵船コメントよりサルベージ(ヒグマ×ルフィ)

ると、少年の肩がびくりと震えた。
「なにが、海賊だ。あんな腑抜けが長とは笑わせるぜ」
あえて雑言を吐いたのは、それが少年を激昂させるとわかっていたからだ。あの目を見、その配下の力を見た今、赤毛の男を侮る気持ちは揺らいでいる。
だが、おのれの力のみを頼りに生きてきたヒグマには、それはとうてい認め難いことだった。
傷ついたプライドは、畏怖によって補われねばならない。
この気の強い少年をねじ伏せ、自分の力を認めさせ、恐れさせる。あの赤毛の男よりも、自分の方が上だと認めさせる。
そうしなければ、彼の肥大した自尊心は維持できない。
思った通り、尊敬する男を罵られた少年は、可愛らしい顔に怒りの表情を浮かべ、きっとばかりにヒグマを睨みつけた。
「シャンクスの悪口いうな!シャンクスは腑抜けなんかじゃねェ!おまえと違って!」
「……なんだと?」
自らの行動を意識するよりも早く、少年の頬が音高く鳴った。しかし少年は、怯む様子さえない。
「おまえなんかがぶったって、痛くなんかねェぞ!弱虫!」
「……!」


瞬間。
脳裏が白く染まった。

「なにすんだよ!」
少年の顔に浮かぶ表情が、怒りから驚きに変わるのが見える。自分の身に何が起きているのか理解できないのだろう。
……理解できないのは、ヒグマも同じだ。
裾からまくりあげたTシャツの下には、当然ながら、乳房もなければくびれもない。平らな胸と腹の帯びるわずかな丸みは、性別のもたらすものではなく、幼さのもたらすものだ。
ただの、ガキ。女の子ですらない、ただの薄汚れたオスガキ。
頭の中では、そう理解している。
だが、奇妙なことに、ヒグマの中には、かつて経験したことのないほどの、強い衝動があった。
目の前のこのやわらかい肉を、蹂躙したい。支配し、所有し、征服したい。目も眩むような情動。

「……な、何したって、おまえなんか恐くないぞ!……っ!」

うるさい口を、まず塞いだ。
そのまま、胸と腹に手をすべらせる。
薄くもろい皮膚は、ひどくなめらかだった。剛胆に振る舞おうとする主の意思を裏切り、飛び跳ねるように脈打つ鼓動を、直に感じる。
あまりの手触りのよさに、数度、掌を往復させた。男の荒れた手が不快なのか、少年は身をよじって逃れようとするが、抑えるのはぞうさもない。

これは当然の権利だ、と、頭の中のどこかが囁く。
少年は今や、自分を、大山賊ヒグマを愚弄し、その権威を傷つけたすべてのものの象徴、彼を見下す敵そのものだった。
おのれの誇りを守り、その力を示さねばならない。この敵を踏みにじり、勝利の凱歌を。
それは、自分の当然の権利だ。

瑞々しい肌をたどると、指先は腰にたどりつく。
半ズボンの前ボタンに手をかけると、再び少年は激しく抗った。
その抵抗を歯牙にもかけず、一気に下半身の着衣を下着ごと引きず


☆☆

2009年冬コミで、サンル大御所さまたちが出された敵×ルフィ本「ONE NIGHT LOVER」のコメント欄の空白を埋めるために書いた超適当文。
一応設定としては、一話で登場した山賊ヒグマ×8歳ルフィの無理矢理鬼畜ネタ。実際に投稿したボンちゃん×ルフィの純愛ものと迷った結果、自分のエロ作文の能力を鑑みて没ったネタですが、考えたネタがもったいない(貧乏性)ので、ちょびっと文章化してみたもの。