飢餓(サンルパラレル、ウサギルフィネタ)/はぴば
しばらく留守にせざるを得ない、とわかったとき、まず用意したのは食い物だった。
おれは「ウサギ」を飼っている。正確には、保護している。
金持ちどもが愛玩用に、人間のDNAをどーとかしたとかいう、奇妙で悪趣味で高価な生き物。未成熟な少年の体に、ウサギに酷似した白い綿毛の耳と尻尾。頬にはなぜか、古い傷跡。
おれのような貧乏料理人になど縁がないはずのそいつを路地裏で拾ったのは、数ヶ月前。
「サンジ、サンジ、肉寄越せ」
少なくとも幼児並みの知能と発声器官を備えたそいつは──よく喰った。あらゆる意味で。
しかもウサギのくせに、肉を好むときていやがる。
ところ構わずズボンを下ろされかけるのには閉口したが、追い出そうという気にもなれなかった。
こいつは愛玩動物で、そう作られてる。……当たり前のことだ。こいつが悪いわけじゃねェ。
そう、そう作られてる──こいつのもたらす快楽は、まるで麻薬のようだ。
少し留守にする、飯はここに置くから。
言い聞かせたのは、三日前。
……可能な限り早く用事を済ませて戻ったのは、一時間前。
当然、飯は食い尽くされ、顔を見るより先にズボンが奪われるだろうと覚悟していた。……ちょっとだけ、期待もしてた。
なあ、なんでおまえ、おれにしがみついて離さねェんだ?
ズボンどころか、キスすら求めようとせずに、しっかりおれのシャツを掴んでる手が、震えてるのはなんでだ?
……テーブルの上に並べといた飯に、手がついた様子がないのは?
参ったな。
“ウサギは寂しいと死んじまう"、……そんなのは、嘘だと知っているのに。
☆☆
「一回でもリツイートされたら飢えてるサンル書きます」がリツイートされましたw
そんなわけでいつぞや書いたうさぎルフィネタ。前回は、今年の1月の日記にあるはず。
本日プレゾロ誕、はっぴばつーみーです。
私の誕生日口実に、会社の人とご飯とかしてきましたw
(メモ)
わあんSMZさん!メッセージありがとです!
こないだは話せなくて残念!
小ネタへの感想もありがとうございます。うちのサンル、力関係は圧倒的にサン<<<ルだからなあw