インカーネイション

この単語を覚えたのは、スラダンの流花同人誌のタイトルだったな、と懐かしく思い出しつつ。

ATOM」を観てきました。
手塚好きとしてはアトムが最高傑作とは思いませんが、バカにされたら殴りかかる自信はある。


さてそれなりに有名な話とは思いますが、アトムの生誕はなかなか陰惨なものです。
愛息トビオを事故で失った天馬博士はショックで精神に異常をきたし、ある夜酔った勢いで、科学省の予算を使い込み、トビオの身代わりとなるロボットを作ってしまったわけですが、実は博士の専門は海馬(さすがにタツノオトシゴではなく脳だと思うが)の研究。ロボット工学は畑違いもいいところ。しかもアトムは真空管使用であのコンパクトサイズ。酔った生物学者が一夜にして、真空管使った超ロボットを作ったのだからまさに天才の奇跡。
なぜ息子の身代わりの尻から機関銃が出るのだ、などと聞くのは野暮と言うものだろう。天才のやることなのだから。
しかし天才は天才ゆえに、ロボットが成長しないということを見落としており、それに気づくと、ショックのあまりサーカスに売り飛ばすという暴挙に及ぶわけですが。



で、アメリカ版はどうかというと。
うん。正直、思ったより悪くない。
キャラデザが可愛くないのは残念ですが、なんか質感がゴムっぽいので、この技術でルフィを描いたらどうなるかな、と思ったり。
すげえトンデモ表現あり、原作へのリスペクトあり。うん、いいんじゃないか?

しかし気になったのは、アトムではない方のトビオ。
確かに原作でも、ローティーンの分際でエアカー暴走させて事故ったヤツではあったが、ハリウッド版では生意気で好奇心の強い天才少年になっており、やはり死亡事故もかなり自業自得だ。
これはアトムの良い子さを強調するためなのか?

ハムエッグは名前だけで悪役とわかるのが、手塚ファンのつらいところ。

そして悪役大統領。
「今はチェンジの時ではない」は、かなりヤバいネタじゃないか…?