096 遠い(シャンエー)

なんでこんなことになってんだ、という思いが、ふと脳裏をかすめた。

「……余所事考えるとは余裕だな、若造」

血のような色の髪の下から、刃のような瞳がおれを映して嗤う。

「悔しきゃ、他のことなんか考えられないようにしてみろよ、オッサン」

歯を剥いて笑みを返してやると、赤い髪の男は肩をすくめた。

「……他のこと、な。おまえには、こっちの方が『他のこと』だろ?」

「……あんたにもな」

本当に、なんでこんなことになってんだ。

おれもこいつも、ここにはただ体があるだけなのに。

今は遠い東の海、あの島で、あの小屋で、……おれのたったひとりの弟の頭上で。

おれとこの男の魂が、出会うことはあるのだろうか。

☆☆

私がエース受けを書くのは、旧友ぴよさんとの接触の証(笑)

昨日、久々にお会いして、ちょっと原稿を手伝ってきました。私がブランクしてる間に、いつのまにか彼女のジャンルは彗星様から幸運なワンコに変わっていたw

ぴよさんとはなかなかジャンルが合わないなあ。「こんな受けはイヤだ」という趣味は一致するのだがな!

ところでぴよさん、「大アルカナで22題」とか作りません?ありそうだなーと思って探したけど、ぴんとくるのがなかった…。