学パラ試し書き(その10/下級生×上級生)
どこで間違えたんだろう。
頭の中で、そんな言葉が木霊する。
「せーんぱい、……なに考えてんですか」
「別に……なんも考えてね……ッ!」
「そうですか?なら、もっと集中してくださいよ。……おれに、教えてくれるんでしょう?えっちなコトのやり方」
どこで間違えたんだろう。
こいつはサッカー部の後輩で、一年でいきなりレギュラーになった。
でも偉ぶらず、特におれには従順で、何かといえば先輩先輩、と頼ってきた。
──おれもそれが、ちょっと嬉しかった。
(ねえねえ、ルフィ先輩。教えてください)
(あ?おまえ、おれから教わることなんかねェだろ、今更。……宿題ならお門違いだぞ)
(おれだって、先輩に学校のベンキョー教わる気はねェですよ。……ね、先輩は童貞ですか?)
(……何なんだよ、いきなり。おまえに関係ねェだろ)
(おれね、好きな人できたんです)
(……へえ)
(だから、ね。教えてください、先輩)
奔流の気配と同時に、脱力した体が覆い被さってくる。
だるい体を抱き込もうとする、その腕の煩わしさ。
「……終わったなら、どけ、サンジ。重いぞ」
力の入らない手で押し返そうとすると、その手が捕らえられた。
「……サンジ?」
俯いた後輩の顔は、髪の陰に隠れて見えない。
「……もう一個、教えてください、先輩」
捕らわれた手が、ぐっと握られるのがわかる。
「──好きな人に好きになってもらう、方法を」
サンジの声は、泣いているようにも聞こえた。
☆☆
これで一応、代表的なパターンは終了かな…?
あと教師×教師とか、用務員×生徒とか、生徒×教育実習生とか細かいバリエーションもあるけども。
とりあえず学パラ書き始めた理由のsycさまには、教師×生徒がお気に召したっぽいので、その方面で掘り下げてみたい所存。
(メモ)
拍手ありがとうございました!