バケモノ(どろろ-百どろ)

嘲り笑う声がする。

──哀れなるかな、忌まれし子。

──手足も目鼻も耳も声も、二親の愛も、おまえにはない。

……うるさい。

──何故意地を張る?異形の子。

──どのみちおまえの場所は、人の世にはないのに。

──マトモなニンゲンたちは、おまえを恐れ、憎み、石もて追う。

うるさい、てのが聞こえないのか……?

「……どうした、兄貴?」

「……なんでもねえ」

「なんでもねえってツラじゃないぜ。──わかった、また、バケモノどもがなんか言ってんのか?」

──バケモノ、とな?

──それはおまえだ、百鬼丸。人に忌まれ嫌われる、そのおぞましき姿。

──さあ、共に来い。共に屍肉を喰らい、血を啜り、ニンゲンの営みに戯れよう。

──それこそが、本当のおまえ……

やめろ、おれは人間だ、人間だ、人間だ!

ぐいっと、手を捕まれた。

「……いいから無視してとっとと行こうぜ、兄貴。どうせ兄貴に喧嘩売る度胸もない、雑魚どもだろ」

「……」

「大丈夫、兄貴にはこの天下の大泥棒、どろろ様がついてるからな!」

見えない目にも映る笑顔。

聞こえない耳にも響く声。

……おまえを殺せば、おれは「マトモ」になれる。

だがそのときこそ、おれが真の「バケモノ」になるときなのだろう。

☆☆

久々にどろろネタ。しかも懲りもせず第二部設定でサーセン。現行版じゃ通じない設定だっつーの。

ゲーム版とかでも、「どろろ百鬼丸の体ネタ」使ってたっけ…?

先回の更新では手が回らなかった、「ペケペケ。」ハルオさんからの誕プレを「おたからえ」に更新させていただきました。

ハルオさんは尊敬するサンル作家さんであると同時に、稀少な手塚フレンド(笑)

かわいい百どろをありがとうございますー!

しかもこんだけしばしば日記でネタにしながら、まだリンクしてなかったのに今更気づいたという大間抜け(汗)

というわけで、本日「ペケペケ。」さまにリンクもさせていただきました。

ハルオさん、今後ともよろしく!

猪瑠茄さんが都々逸に手を出されたー。わーいうれしー。

私も早く消化せねばとは思うのだが、次のお題超難しい(笑)

(メモ)

サンジ手配書は幽鬼のようです(笑)

ゾロのはそれに比べればよかった気も。

私も靴下破産はイヤなので、サンルしか買ってませんが(笑)