千(ルロビ)

「好きでない人を、好きになる方法はあるわ」

そう言うと、彼は目を丸く見開いた。

「え、嫌いな奴を好きになんかならねェだろ?」

「そうとも限らないわ。人間なんて、意外と単純なものだから」

初めて彼を見たとき、私はどう思ったのだったか。

同じDの名を持つ巨人とは似ても似つかない、未成熟な細い肢体の、麦わらの少年。

「『その人が好き』と、自分に言い聞かせるの、何千回も。──そうすればいずれ、その人を心から好きになってしまう」

「へェ……」

王女を庇いながら、私を睨みつけた若い船長。

砂漠に埋もれていた「D」。

王下七武海を相手に、一歩も引かなかった戦士。

彼の小さな表情、仕草、言葉のすべてが、私の中に言葉を生む。

何千となく繰り返した言葉──「あなたが好き」。

「──そっか、じゃあおれがロビンを好きなのは当たり前だな」

黒い目。

弾ける笑顔。

力強い声。

──あなたが好き。

「おれは何万回かわかんなくなるくらい、ロビンを好きだと思ったからな!」

☆☆☆

それなりに有意義な休日を過ごしつつ。

特に日記ねたもないので、船長感謝祭のお題その一。DLFで。

しばらくサンルとエールばっかだったので、たまには珍しい組み合わせも書いてみようかと思うですよ。

(メモ)

拍手ありがとうございました!