『クリスマスキャロルの頃には』
『──君と僕の答えも、きっと出ているだろう』
残業帰り、通りすがった店先から流れてきた聞き覚えのある歌に、ふと足を止めた。
古い流行歌、定番のクリスマスソング。
……そうだ、ちょうどおれが宿無しになりかけて、メリーとふたりで途方に暮れていた頃、この歌を聴いた。
あの日も、身を切るような雨が降っていた。
隣には、サンジが歩いていた。
『──何が大切なのか、ひとり考えたい』
好きな奴とわざわざ離れるなんてヘンじゃねェか?と言ったのはおれ。
……ま、人にはそれぞれ事情があんだろ、と、そっぽを向いて言ったのはサンジ。
それからおれとメリーはサンジの家に転がり込んで。
正月も節分もサンジの誕生日もおれの誕生日も一緒に過ごして。
メリーが死んで。
真夏に、サンジはいなくなった。
探す方法がないわけじゃない、というのは、おれにもわかってた。
サンジの勤め先だって、行きつけの店だって知ってる。
もし店を辞めてたとしても、探す伝手くらいは見つかるだろう。
それをしなかったのは──認めたくはないけど、怖かったからだ。
なあ、もっとして欲しいだろ?と、蕩けたような眼差しで言った。
謝らねェ、と、押し殺したような声で言った。
サンジ。
おまえ、ほんとうはおれに何が言いたかったんだ?
──聞きたいけれど、口に出したらもう絶対に戻れない問いが、喉のなかで暴れている。
降り続ける雨が、さらに冷たくなった気がして、また歩き始める。
もしかしたら、もうすぐ雪に変わるのかもしれない。
『──どういう君と僕に、雪は降るのだろう……』
☆☆☆
harukiさんちリレー、猪瑠茄さんの続きというか同時間軸設定。
関係者はDLF。
本日例によって、友人に会うのを主目的にシティに行ってきました。会場でこの歌が流れたもんでつい(笑)
その後フジテレビに突入、ワンピグッズお台場限定品とか買いあさり、アホのように歩いてから帰宅。へろへろですが、これから某たくほさまのとこにお邪魔しようと思います。
明日は起きられんな(笑)