さっそく
もふっ、とルフィがおやつに食らいつくと、ばさりと前髪が揺れた。
「……おいルフィ、おまえちょっと、髪伸びすぎじゃねェか?」
「そか?」
「そろそろ切……」
「イヤダ」
「……」
「……」
その後の経緯については大胆に省く。
ウソップのトリモチ星が、あんなに役に立つとは思わなかった。
ともあれ今や船長は、籠の鳥よろしく、甲板の椅子にしっかり括られて、鋏を構えたおれの前に引き据えられている。
「なあ!まだ切らねェでいいってば!」
「何がそう嫌なんだ?目に入って鬱陶しいだろ?」
「おまえの方が鬱陶しいじゃねェか」
「おれには諸事情が──いや、今はおれは関係ねェだろ」
「……関係ある」
ぽつりと言われて、思わず「何?」と聞き返した。
──それが、まずかった。
「……だって髪切ってる間、サンジおれ見るだろ」
「顔とかさわるし」
「なんか落ち着かないし、ドキドキとか、へんな感じがする。ずっと」
「……だからサンジに髪切ってもらうのはヤダ」
──この、クソ野郎。
なんちゅうセリフを、無意識に吐きやがるか。
おれは忙しいんだ。
晩飯の支度もせずにおまえと追いかけっこさせられたんだからな。
予定外の散髪なんぞ、さっさと済ませなきゃならないってのに。
──まずはその口、塞ぐところから始めろってか。
☆☆
昨夜のゾロ誕チャットでチャコさんに約束した、「ルフィの髪を切るサンジ」ネタ。
朝いちに書いて送ったら、ぷりちーなイラストをいただいてしまったぜ…!ありがとうチャコさん!
チャットご出席の他の皆様も、遊んでくださりありがとうございました!
東京は本日、アニワンが例の話。
息を詰めて見つめつつ、「いつでも身代わりの覚悟はある」に超萌えた。
切ねェよサンジさん…!
(メモ1)
あいいろにお言葉ありがとうございます。弊サイトは常に、サンル最強萌カプの心意気です。よく嫉妬もするのですが(笑)
(メモ2)
拍手ありがとうございました。よろしければ、またお寄りください!