綿の国星(ハロウィン記念ハロウィン無関係サンル)
──ホワイトフィールドって知ってるか?
おれにそう聞いたのは、サンジだった。
おれはルフィ。生まれて3ヶ月の黒猫だ。
雨の降る日に、寒いとこでにゃーにゃー泣いてたのが、一番最初の記憶。
おれを抱き上げて、あったかいとこに連れてって、肉を食わせて、名前をくれたのはシャンクスだ。
だからおれは、大きくなったら人間になって、シャンクスの役に立つんだ。
──チビ、まさかおまえ、猫が人間になれるとか思ってるのかよ?
シャンクスの家で暮らしはじめてしばらく。
裏の山で知り合ったサンジは、金色の毛並みの、ものすごく綺麗なでっかい猫だった。
二つに割れた尻尾をゆっくり振りながら、すごくバカにしたような言い方で、わけのわかんないことばっかり喋る。
──猫はな、人間にゃならねェ。その代わり、いつか旅に出るのさ。
──旅?
──そう。……チビ、おまえ、ホワイトフィールドって知ってるか?
猫の旅の行く先は、ふかふかふわふわの綿の原。
そこには素晴らしく綺麗なお姫様がいて、優しくキスしてくれる。
お姫様の名前は、ホワイトフィールド。
……わけわかんねェ。
──……おひめさまとか、どーでもいい。おれは人間になって、シャンクスと一緒にいるんだ。
そう言うと、サンジはおれをじいっと見て、二股の尾を振った。
──……そいつは困ったな、チビ。おれは今、おれのホワイトフィールドの毛並みが黒いと、ようやくわかったところなんだが。
……わけわかんねェ。
どう答えようか考えていると、サンジの青い目がきゅっと細くなった。
──いいさ、今日は帰んな、チビ……ルフィ。そのうち、わかるよ。猫は人間になれねェことも、おれがいい男だってこともな。
……わけわかんねェ。
サンジが綺麗で強くて優しいことなんか、おれはとっくに知ってるのにな。
☆☆
某所診断で、ルフィとサンジのハロウィンコスプレを診断してもらったら、
ルフィ:猫耳
サンジ:化け猫
と出たので、組み合わせた猫にゃんにゃんな大島弓子ネタ。
中身はハロウィン関係ねえww
(メモ)
拍手ありがとうございました。