皇帝のナイチンゲール(サンル/バラティエ)
「一緒に行こう」
何の冗談だ、と、最初は笑い飛ばした。
次には苛立ち怒鳴りつけた。
……雑用は笑う。
無邪気な笑顔、まだ細い肢体、やわらかな皮膚。
それが閨の中で、どのように変貌するのか、おれはまだ知らなかった。
「おまえ……ずっとここにいろ」
項を味わいながら囁くと、しなやかなゴムの指が、おれの髪をかき回すのを止める。
「……無理だな」
「なんでだ?」
「おれは海賊王になるからな」
「……おれは、イイだろ?メシも、……コレも」
肌に濃く花弁を落とす。
頭上で聞こえる、しししという笑い声。そしてまた動き出すゴムの指。
「そうだな、サンジは好きだ。……だから、一緒に来い。海賊になれよ」
わかっている。
こいつを留めることはできない。
だが、もうおれの体と魂は、自らの求めるものを知ってしまった。
……二つ目の花弁を落とす。
この翼あるものを、地上に縫い止めるための、無益な試みのために。
☆☆
タイトルでお気づきの方もいるかと思いますが、元ネタはアンデルセン。…のはずだけど、激しく歪んだなw
あけましてご無沙汰しました。
ほっとくとまたこのままフェードアウトしそうな自分を叱咤するため、メル友兼メル妹のまつのさんに、「読みたいネタある?」と聞いたら、「バラティエ」と言われたので、古いメモを引っ張り出す。もともとは長めのネタにするつもりだったはず……。
ツイッターで「サボでもいいよ」とか呟いてるのは見なかったことにする。サボ難しいんじゃ。
(メモ1)
そんなサボネタに反応ありがとう!
まああんなことにはまずならないだろうとは、わかってるのですが!夢ならみるよ、オタクだから!
今年もよろですv
(メモ2)
拍手ありがとうございました。