そこ動くなよ(サンル)

そうだな、あいつについてきて、まず驚いたのはあの無防備さだった。

だって、水が弱点な悪魔の実の能力者が、平気で船の舳先とかに座って、足をぶらぶらさせてたりするんだぜ?あり得ねェよ。落っこちたら終いだっての。

最初見たときは驚きのあまり、そこ動くなよ、とか怒鳴りつけて、力ずくで引きずり下ろしたもんだ。

あ?特に抵抗はされなかったな、そういえば。「なんだ、サンジも座りたいなら、言えばちょっとくらいは代わってやるのに」とか、ボケたことをぬかしてたがな。

……あれで一応、あの船がおれのだということはわかってて、「船長」に遠慮してたのかもしんねェ……いや、自分で言っといてあれだが、それはねェな。あいつに遠慮なんて人間らしい言葉が存在するわけがねェ。

あいつは魚とか鮫とかみたいな生きもんで、ひたすら前に進むことしか知らない。

一秒でも一瞬でも早く、知らないものを見て、知らない音を聞いて、知らない場所に突っ込んでいくことしか考えてねェ。

……あァ?そりゃもちろん、舳先から引きずり下ろした五分後には、あいつはまた同じところに座って、鼻歌なんか歌ってやがったとも。

動き続けなきゃ死んじまう生き物に、動くなって言う意味はない。それはあいつには、死ねってのと同じだ。

……それがわかるまでに、おれは十回はあいつを舳先から剥がしたし、……わかってからは五十回くらい、あいつを海から引っ張り上げる羽目になったけどな。

☆☆

歴史お題が折り返しに来たし、そういえば手を着けてなかったなあと、サンル誕お題消化してみることにする。

就職活動は、亀の歩みながらも少しずつ進んでる…のかな?

明日から数日、久々に机の前で勉強です。

(メモ)

拍手ありがとうございました。