お好きな人にはたまらない

「RAILWAYS」を観てきました。
このルートでの試写会は今回最後だろうしな。


(あらすじ)
筒井肇、アラフィフ、大手企業の企画室長、やり手のエリートリーマン、専務の懐刀。出世のためなら親友のリストラも辞さない。ハーブティーの店を営む妻と大学生の一女あり。
そんな男が、親友の死と、故郷出雲で暮らす母が倒れたことをきっかけに、幼い日の夢を思い出し、会社に辞表を出す。
彼の夢、それは実家の庭先を走ってゆく、二両編成のローカル電車の運転士になることだった。


まあなんだ、内容が現在の自分とかぶる部分がいろいろあったせいもあるし、主演の中井貴一はやっぱり上手いし。
筒井が一大決心をする流れなどはかなり唐突のような気もするし、病気の母がいやに健康そうとか気になることがないではないが、総じて安定した、いい映画だと感じた。
起こる事件は伏線がかなりあからさまなのでさほど意外性を感じないが、抑えた描写が好み。
娘と同僚運転士は、やはりそういう結果を匂わせてるのかなあ。
あと、新人研修のシーンで、ハタチそこそこの仲間たちがアラフィフ筒井にまったく関心を示す描写がないのはちょっと気になった。そこは普通、「なにあのオッサン?え?上司じゃなくて仲間?」とかいう反応を入れるとこでは?


そしてなにより、微に入り細をうがつかのような、運転士訓練・電車関連シーン。
田畑の中を走っていくローカル電車見放題。もちろん運転席や客席、窓からの風景も満載。
これは間違いなく、鉄ちゃん垂涎。


決して派手なエンターテインメントではないけれど、落ち着いた佳作といった趣かな、と(わかったようなことを)。
しかしやはり中井貴一すごいわ。恐るべしミキプルーン