045 禁(サンル)

「サンジがおれのこと好きとか、ウソだろ?」

「……何を根拠に?」

「だって盗み食いさせてくんねェし」

「それとこれは別問題だ!この歩く胃袋が!」

いいか、船長。冷静に話し合おうじゃねェか。

まず、ここは船の上だ。一度出航したら、物資の供給は不可能に近い。従って、次の港まで物資を維持するのは、生命を守る意味でも重要だ。

まして食物は、命に直結する。おまえも夢のために敵と戦って死ぬならともかく、飢え死になんかしたかないだろ?

──それと、な。

おまえには、最高にうまいモンを食わしてやりたいんだよ。

最高の味、最高の温度、最高の盛り付けの、最高の料理を。

そういう意味でも、つまんねェ盗み食いで、もっとうまくできるモンを、無計画に食われちまったら困る。

船のコックとして、食糧倉庫管理人として、……そしておまえの恋人としても、盗み食いは厳に禁じる。

「……じゃ、サンジの気を引きたいときは、どうすりゃいいんだ?」

──……は?

「サンジがいつ気がつくかなーとか、気がついたら怒るかなーとか、お仕置きはやだけどかまってくれるかなーとか、そういうのもなしか?」

──……いや、あの。船長?

「つまんねェなァ。……サンジが遊んでくんねェなら、ゾロんとこで昼寝しよ」

ちょ、待!

おまえはなにか、重大な誤解をしてるっつーか、我々の間には大きな意見の食い違いがある!

待て、戻ってこい、ルフィ!

☆☆

もう少し色っぽく処理すべきだったかもしれぬ。

(メモ)

拍手ありがとうございました。