034 手渡す(エール)
「いらねェか?」
「いや……いる!」
三年ぶりに弟を見ながら、年寄り臭い感慨に駆られる。
──ああ、大きくなったな。
手足も背丈も伸び、丸い子供の輪郭が鋭い大人の男のそれに変化を始めている。
もう少しすればその声も太く低くなり、肩幅も広くなり、顔つきも少年の域を脱するのだろう。
──会えてよかった。
まだ少年の、まだおれよりも弱い、おまえに会えてよかった。
おまえが大人になっても、そのまっすぐな目は変わるまいと、知ってはいても。
それでも。
……おれはまだもう少し、おまえの保護者でいられる。
まだもう少し、おまえに必要な存在でいられる。
触れることすらなかった指先が、おまえの熱にまだ火照っている。
☆☆
ねぐら内で、現在雪崩が発生しています。崩れているのはサンル本はじめとした薄い本やら文庫本やらエロ本やらです。
汚部屋住人ですみません。
とりあえずベランダに出られるようにしてたら、睡眠時間が削れる…。眠い…。
本腰入れて整理しなきゃなあ…。
(メモ)
拍手ありがとうございました。