リハビリ9
「……あァ。おまえ、朝飯喰わねェとな…(アイーン)」
思い出したように、サンベーダーが言った。同時に、一瞬の隙をついて、おれの手が振りほどかれる。
「待て、話はまだ」
「……逃げやしねェよ。けど今は、おまえの体が優先だろ(アイーン)」
そりゃまあ確かにメシも重要だが、ていうかおれ的には何より最優先だが、そんな殊勝っぽいセリフを吐くより前に、することがあるだろいろいろ。せめてパンツよこせ。
「朝飯はおまえの好きな、パンケーキ作ってやるから」
………まあそれは確かに、パンツよりは急を要するかもしれない。
メシはいいけど、また例のロボットが給仕に来るんじゃないかというおれの危惧は外れ、トレイはサンベーダー自らの手で、おれのベッド横まで運び込まれた。
「ほら、あーんしろ(アイーン)」
器用に触手で操られたスプーンが、口元までメシを運んでくる。
「……いや、いいからおまえ、この鎖解けよ。そしたら自分で喰うから。つかこのままじゃ、まともに喋れもしねェ」
「気にすんな、おれは月語も完璧だ(アイーン)」
「いや、今現在、明らかに会話通じてねェだろ!解けったら解けよ!」
「ダメだ(アイーン)」
「何で!」
語気をあらげると、サンベーダーはスプーンをトレイに置いて、こちらを上目遣いに見た。
「……だって解いたら、ここから出てこうとするだろ?(アイーン)」
なんだそりゃ。
☆☆
いわゆる「にじげんどりいむぶんこ」などを愛読する友人にこのシリーズを見せたところ、「ギャグなのかシリアスなのかはっきりしろ。つか、体の一部が触手ならそれは別に触手ネタではなく単なる性行為ではあるまいか。あと合コンの想像がつかん」と言われました。
そうか、触手は攻めとイコールではまずいのか…!
(メモ)
拍手ありがとうございました。