キャプテンEOの記憶
それはまだ私が幼少の頃。
初めて行ったディズニーランドで、同行の友人の勧めによって入ったアトラクション、それが「キャプテンEO」だった。
メガネをかけて見ると画像が立体的に見える、いわゆる3D映画のはしり。
〈私の記憶によるあらすじ〉
遥か未来、宇宙を旅するはキャプテンEO(マイケル・ジャクソン)と、割とキモいデザインのその部下ズ(確か3匹くらいいたような)。
宇宙は滅びに瀕していた。邪悪な女王の悪意が、宇宙を浸食していたからである。
冒険をくぐり抜けたキャプテンEOは、ついに醜怪なる女王の前に立つ。頑張れ、僕らのキャプテンEO。世界を救え!
そのときEO、少しも慌てず。怒り狂う女王の前に進み出た彼は、剣や銃には手も触れず、突然
踊 っ た 。
「……ナンデスカソレハ」と、可愛くない子供が愕然として見守る中、キャプテンEOの踊りはさらに激しくなる。そして、何故か女王が苦しみ始める。
やがてEOの愛の踊りにより、女王は呪いを解かれ、若く美しい……………………えーと、日本人の子供には、少なくとも若さがちょっと足りないように見えたけど、多分設定としては若く美しい女性の姿になり、EOに感謝の言葉を捧げる。
嗚呼救世の勇者キャプテンEO、星の海へと漕ぎいでて、次はいかなる空の下……(完)
マイケル・ジャクソンの急逝の報に接する。
私は洋楽にさっぱり関心がないので思い入れも少ないが、それでも彼の曲を知っている。間違いなく、ひとりの天才だと思う。
開いてみたYAHOOのトップでは、キャプテンEOよりも少し若い、まだ黒い肌の青年がこちらを見ていた。
ニュースを読んで、彼が肌のメラニン色素を失う病気にかかっていたことを知る。
私でさえこれだから、彼を愛していた人にはいかばかりの衝撃だろうと思う。
願わくば、その魂の安からんことを。
(メモ)
拍手ありがとうございました。