深淵

「おまえにならば、わかるだろう?」

薄闇の中、男が囁く。

視界の中に、縛められた自分の両手が見えた。

緑色の縄のように見えるものは、自由を取戻すことは許さぬまま、ゆるやかに肌を這い、戯れるように触れては痺れを残す。

……ああ、こいつはおれの力を吸い取っている。

わかったからとて、なにができるだろうか。

なにができる、なにが?

……おれは、ひとりだ。

このグランドラインに、たったひとりだ。

ゾロもナミもウソップもサンジもチョッパーも、ロビンも、……

「わかってくれるだろう?……愛するものを失った痛みを癒すには、苦痛が必要なのだ」

ねっとりと甘く、男が囁く。

いとしいものを守れなかった罪は、罰によって購われる。

☆☆☆

某四皇様に捧げる男爵×ルフィ。

エロってやっぱり難しいです安西先生

あちこちで見かける、次号ジャンプ関連の悲鳴に怯えています。

で、でも頑張る!自分で買うまで、ネタバレは見ないぞ!

(メモ)

拍手ありがとうございました!

どうぞまたおヒマな時にでも、遊びにいらして下さい。