紫煙

ふたつめのタバコの箱を握り潰した。

ルフィはまだ帰ってこない。

たとえばこれを、「裏切り」と呼ぶのは間違いだ。

おれとルフィは純粋な「友人」以外のなにものでもなく、おれにはルフィの行動を束縛する権利はない。

「早く帰る」という約束が履行されていないのは事実だが、ルフィにもいっぱしの社会人としての付き合いがある。

正しい「友人」たるおれは、悪態でもついてさっさと寝室に引っ込み、明日の朝にでもイヤミを言いながら、冷めたメシを温め直してやればいい。……それだけのことだ。

3つめのタバコの封を切る。

携帯電話は沈黙を続ける。

わかっている。

裏切っているのはおれだ。

あいつを部屋に住ませたのも、メシだのなんだの世話を焼くのも、泣きそうなときに慰めたのも、そうして今ここでじりじりしながらタバコを消費しているのも、決して「友人」だから、という理由なんかじゃない。

そばにいたい、信頼されたい、繋がっていたい。

それだけしか、望まないから。

……ルフィ。

「……早く帰ってこいよ、クソヤロウ」

呟きは、紫煙に溶けた。

☆☆☆

というわけで、遅ればせながら、本日は猪瑠茄さんに捧げるお礼小ネタです。

簡単に経緯を説明しますと、先々週あたりから、私が「CoolRubber」さまのブログ連載についてこの日記で触れていたことから、猪瑠茄さんも同設定でサンルを書いて下さったですよ。

しかも、私が大喜びしているのを見て、男前にも「さしあげますよ」って!わーい!

だいすき猪瑠茄さん!

猪瑠茄さんの「お戯れ」のきっかけになれたことが、ほんとに嬉しいです。や、かなり自惚れだとは思うけど!

鋭く切り裂かれるような猪瑠茄さんのサンルが読めて幸せです!本当にありがとうございました!

ところで猪瑠茄さん、メールしときましたが、いただいた作品のタイトル教えて下さい…orz

とりあえず勝手に仮題つけたけど、正式タイトルをどうか…!

タイトルといえば、この小ネタにも付けといた方がいいか。

じゃあ、「紫煙」で(安易)。

(メモ)

niさんー!わざわざありがとうございます!

いいですよねゾロ雪姫!総集編「BELL」所収ですので、ご機会があったら是非。

貴サイトのお言葉も拝見しました。は、半分確保ですか……頑張ります(笑)

今後ともストーキングさせていただきたい所存ですので、どうぞよろしくお願いします(イヤな挨拶)。