夜の電車

「お前、強そうだな!」

無邪気に笑いながら伸ばされた手を、反射的に振り払う。

「──触るな」

「なんで?」

「……人に触られるのは嫌いだ」

「ふーん?」

理解できない、といいたげに傾げられる首。だがその顔にはすぐに笑みが戻る。

「ま、いーや。お前ゾロだろ?おれはルフィ」

「……ルフィ?」

「おう!モンキー・D・ルフィだ!」

なんの屈託もなく笑うこのガキが、「ルフィ」ならば。

おれはこいつを殺すために在る。

☆☆☆

意味もなくパラレルゾロル。……や、「どろろ」ネタをワンピでやるなら、サンルよりゾロル向きだろうなあと思って(笑)

ひとつの体を共有する二人の子供、という設定を知ったときの衝撃が、多分私の最初の「萌え」でした。

たとえそれが手塚神の気紛れでも!

夜九時台の電車で、塾帰りと思われる少年たちと乗り合わせた。

聞くともなく会話を聞いていると、「アニメキャラとお笑い芸人が戦ったら」とゆーネタで盛り上がっている模様。

今時の少年たちが想起するアニメキャラって誰なのかなあ。アニワン以外ほとんど観てないからなあ……

「剣心とボビーが戦ったらさあ!」

「いやそこはケンシロウじゃね?」

「あたたたたたた!」

「いい勝負になりそうだよな!」

「いや、それよりベジータが……」

……全部知ってる名前なんですが!

偉大だなあ黄金期ジャンプアニメ(剣心は黄金期じゃないか?)。

しかし少年たちに訴えかける「現代のアニメ」はないのかな?とちょっとだけ気になる。

……船長やゾロの名前は?と言いたいわけではない。念のため。