発掘メモ

月の傷

室温においたバターを切るように、何の抵抗もなく腕におさまる。

夢ではないはずなのに、現実感はどこにもない。

仰ぎ見、焦がれ、憎みすらした、天上の月がここにある。

ただひとつ。

指に触れる、頬の傷痕だけが、その実在を証しする。

――おれはたしかに、かれにくちづけている。

☆☆☆

古いメモの走り書きを発見。

多分サンルの案を練っていたときのものだと思うが、どの話のどのシーンに使うつもりだったのかさっぱり覚えてない。

多分これ以上展開できずに捨てたんだろうなあ……。

貧乏性なので、適当に再編集して再利用。

(メモ)

「わたし」に、マイおかしらことゾンビーノ梅子さんよりいただいてきた「お題バトン」更新。

珍しくハガレンネタです。