under the rose(サンル)
《薔薇は違う名前で呼んでも、その美しさに変わりはない──そう、知るべきであろう》
ロビンが何かの歌をくちずさみながら、花壇のていれをしているのを、ルフィは見るともなく眺める。
昨夜はほとんど眠っていない。体にはまだ、だるさと火照りの名残がある。
白い綺麗な手が、ルフィの目にはまだ蕾としか見えない花を、無造作に折り捨てる。
「その花、捨てちまうのか?」
らしくもない問いを発したのは、その白い手が、昨夜見たものと重なったせいかもしれない。
──言葉もなく、ただ果実をもぎ取るように、すべてを奪い取る、タバコのにおいのする指先。
「ええ」
いつもの柔らかな微笑を浮かべ、ルフィの考古学者は振り返る。
「この花は、内側から枯れてゆくの」
美しい指先が、幾重にも層を成した花弁を暴く。
一番外側の、匂やかに瑞々しい薄紅のひとひら。その下から現れる、茶色く腐り干からびたもの。
「……ちょっと見ただけでは、変わっているとは気づかないのだけれど」
「……そうか」
空は青く、海はなお青い。
仲間たちは思い思いに船上でくつろぎ、キッチンからはうまそうな匂いが漂う。
変わらない、昨日となにが変わるわけもない光景。
ロビンの静かな歌声。
《わたしはそれを愛と呼びたい。愛は海のよう。限りなく変容し、それでいてどこまでもひとつのもの》
☆☆
だいすきなYOUさん、お誕生日おめでとうございます!
YOUさんの今年が、いい年になりますように!らぶ!
とりあえず即興で、サンル(たぶん)小ネタ。
詩はアメリカのファンタジー作家タニス・リーの「銀色の恋人」引用ですが、手元に資料が見つからなかったのでうろ覚え。
…「銀色の恋人」をサンルでダブルパロ……どう考えても、ロボット役がルフィで、不器用な少女役がサンジだろうなあw
なぜ私の想像するサンルダブルパロは、女の子役が攻めに回るのかw
いやまてむしろ、エールで……エースも女の子役に回りそうだな……。
つまり私はサンルにしろエールにしろ、「未知の世界への案内役」をルフィに期待しているということかな?