067 客(サンル)
「お前、少しは弁えろよ。そりゃ、バラティエだってロクでもねェ労働条件だったが、こんな深夜労働なんざなかったぞ」
「そーか?」
「来る日も来る日も、日が出る前から日付が変わるまでメシを要求されたんじゃ、こっちの身がもたねェよ。……せめて、マトモなお代くらいはいただきませんと」
「金はねェ。宝払いでいいか?」
「お前から金を取ろうとするほど、おれも夢見がちじゃねェよ。……たとえば、」
「ひゃ、……っ!!」
「──こんな風に、体で払っていただいても良いですよ、お客様」
「………」
「ルフィ?」
「おれとちゅーとかすんの、ただのメシ代でいいのか、お前?」
「おれがお前とちゅーすんのは好きだからで、メシ作ってくれるからじゃねェ」
「………わかりました、おれの負けです。宝払いでよろしく」
「おう、任せとけ!」
「あと」
「?」
「……献身的な恋人に、ねぎらいのちゅーはいただけますか、お客様?」
☆☆
このところ、ちびずやエールばっかりだったので、久々に本業(笑)
しかも、珍しく甘め(当社比)。
誰に当てるか思いつかないタイトルはとりあえずサンルでさばくのが私のジャスティス。
…あれ?ちびずの「おきゃくさま」を書けば良かったのか?
(メモ)
拍手ありがとうございました。