おでかけ1(今週号エール/というか三兄弟)

「弟」の食欲が、突然落ちた。

先日兄弟の誓いを交わしたおれ達──おれとサボとルフィ──の食事情を一言で表すのなら、「自給自足」だ。

ダダンから支給される水と飯はほんの口汚しの分量しかないし、飢えるのがイヤなら自分で得るほかはない。

ワニだのトラだの野牛だの、メニューのバラエティーは十分多いし、特に不満もない。

「弟」のルフィは、ぴいぴいよく泣く弱っちいヤツだが、意外と負けん気は強いしそれなりに見どころもある。

その取り柄の一つは、食い物に好き嫌いがないことだ。

おれやサボよりちっこいくせに食う量は遜色ないし、おれ達でさえ一瞬食うのをためらうような毒々しいキノコとかにも、真っ先に食いつく。

……好き嫌いがどうというより、単に食い意地が張ってるだけかも知れねェ。

まあとにかくそういう奴が、いつもなら一メートル分くらいは軽く平らげていたイモムシの丸焼きを、八十センチのところで止めていたら、気にもなる。

「おい、ルフィ」

なにげなく声をかけたのは、単に、おれの焼き加減が気に食わねェってのかコノヤロウ、と軽く小突いてやるだけのつもりだった。

だがおれの声を聞くなり、ルフィはバネ仕掛けの人形のように飛び上がり、そのままサボの後ろに隠れた。

「……おい、ルフィ」

明らかに何か隠してます、と言わんばかりのルフィの態度に、サボが呆れた声を出す。

「なっ……何でもねェ!エエエエースやサボと作ったメシも美味いけど、たまにはマキノのメシが食いたいとか思ってねェからな!ほんとだぞ!」

「……」

「……」

バカだ、こいつ。

☆☆

とまあそんな感じのものが書きたいのです。

続きが書けるかどうかはまだ未定。

(メモ)

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