053 放浪(ゴムゴムの日記念)
気づけば、我が身は暗い箱のなかに閉ざされていた。
思えば、長く旅をした。
凍りつく北の海、火を噴く南の山。
咲き乱れる花を踏み分け、散らばる人骨を踏みにじった。
神と崇める者もいたし、悪魔と蔑む者もいた。
激しく愛されもしたし、深く憎まれもした。
──だがまだ、世界はあまりに広い。
ことり、と音がして、光が射す。
箱と蓋の隙間からのぞくのは、幼い少年の顔。
いかにもやんちゃそうな印象は、まだ真新しい目の下の絆創膏のせいだろうか。
いいものを見つけた、と言わんばかりににぃっと笑い、少年はこちらに手を伸ばす。
──会えて嬉しいぞ、新たなわが憑り代。
……おまえは我が身に、どんな世界を見せてくれる……?
☆☆
そんなわけで、今日はルフィが悪魔の実を食べた日(公式設定)。
(メモ)
拍手ありがとうございました。