何処いった?(サンル/ダーク、グロ、猟奇)
お題がせっかく暗めなので、たまにはこんなネタもありかと。
たいしたことないかと思うけど、ダメな方はご覧になりませんよう。
(メモ)
拍手ありがとうございました。
☆☆
「ようゾロ」
探し求めた男は、まるでつい数分前に別れたかのように、シニカルな笑みを浮かべて片手を上げた。
あまりにも悪びれないその態度に、むしろ違和感を強く感じる。
「思ったより遅かったな。いくらお前でも、いや、お前なら、ルフィの居場所を違えたりはしないだろうと思ったのに」
「……その船長はどこだ」
押し殺したような恫喝に、金髪の男はいつものように、白い小さな棒をくわえたままニヤリと笑う。
「ここにいるぜ?」
「……ここ……?」
見回す小さな部屋には、シングルベッドと申し訳程度のキッチン。部屋には不似合いなほどの大鍋が、コトコトと音を立てる。
壁には数着のスーツと、見慣れたあの麦わら帽子。
数ヶ月前、上陸したまま突然姿をくらましたふたりがここでどのような生活をしていたのか。
考えまいと、ゾロは意識を無理矢理切り替えた。
目の前の男は、相変わらず愚にもつかないことをぺらぺらとまくし立てている。
「……お前がたどり着くのにこんなに長い時間かかるとわかってたら、もっと手間がかけられたのにな。惜しいことをした」
きゅ、っと音がして、その歯がタバコに食い込む。
──タバコ?
違和感の原因に気づく。
この部屋には、タバコの匂いがしない。
「なあだって、我慢なんかできるわけねェ。最初からわかってた。あいつだけが、おれを飢えから救える」
きゅっ、と、鳴る。
白い小さな棒。
……白く細い、骨のような、……ゴム?
コトコトと、鍋が鳴る。
「おい、クソコック!ルフィは……何処いった!?」
ニヤリと、笑って。
男はくわえた骨の先を、自分の腹に向けた。