020 本心(サンル)
熱がわずかに引いて、理性と思考が戻ってくる。
ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる力強い腕は、まだ緩む様子もない。
「……サンジ、そろそろ、」
相手の注意を促すように身をよじった。
その気になれば振りほどくこともできるけれど、それはあまりしたくはない。
どっちみち離れなければならないのはわかっているけれど、それならサンジに手を離して欲しい。
しかし、サンジはそんなルフィの気持ちなど知らぬげに、もがく体をあっさりとおさえこむ。
「……なんで?まだ真夜中だし、それに、久しぶりだろ?おれはまだまだできるぜ?」
耳朶を食むように言われると、再び全身に波が立つ。
「もうやだ。……明日、動けなくなる」
「動けないなら、寝てりゃいいだろ。メシなら運んでやるし」
まるで優しいみたいな口ぶりで、身勝手なセリフを吐く。その手は既に、ルフィの体に新たに火を灯そうと動き始めている。
流されまいと、本気でもがこうとした寸前、耳元に、真摯な声がした。
「……そうすりゃ、昼間もおれがおまえを独り占めできる」
聞き違いか、と思う間もなく。
サンジの起こす新たな波が、ルフィを飲み込んだ。
☆☆
昨日の更新ネタのその後的な感じはこんなんかなあと思ってみた。
両片思いはいいよね!
ブログの更新になかなか手がつかない…。
ところで、ワンピキャラで嫌いなのは天竜人だけ、と公言している私としては、当然ティーチもかなり好きです。いい悪役だよね彼。書くの難しいけどさ。
エースとしても、ティーチは信頼する部下であり副官であったからこそ、裏切られた時のショックが大きかったんだろうなあと思うし、「自分の信頼していた奴がオヤジの顔に泥を塗った」と思えばこそ、独断専行に出たんじゃないかなあと思う。
感想サイトさんをさまようと、赤犬さんとティーチの悪口が目について、ちょっと悲しい今日この頃。
(メモ)
拍手ありがとうございました。久しぶりのマトモな更新がお気に召したなら幸いです。