015 投げやり(サンル)

息が整ったところで、タバコをくわえた。

マッチの先に灯った火が、隣に満足そうな顔をして転がっている、今宵の相手を照らし出す。

今宵──否。

気がつけばここしばらく(上陸したときさえ!)、相手は決まっていた。

「……なあ、サンジ。おれ、わかったぞ」

得意そうな表情を浮かべたガキめいたツラには、先ほどまでの妖艶は欠片もない。

「──わかった?なにがだよ?」

適当に返して、最初の煙を吸い込む。

「うん。サンジは、おれがすげー好きだろ?」

……死ぬかと思うほど咳込みながら涙目で睨みつけたが、情人には毛ほどもこたえていないのは明らかだ。

「な、そうだろ?……だってサンジ、いっつもすげェ必死だもんな!」

このクソ野郎。

秘すれば花とか、沈黙は金とか、気配を察するとか──こいつが知ってるわけはない。

いつでも直球で、純粋で、強引で。

だからこそ。

「あーはいはい、船長の仰せの通りですよ」

そっぽを向きながら投げやりに返す。

目の端に、ルフィのあの無敵の笑顔が見えた。

☆☆

サンル強化期間継続中。

(メモ1)

メッセージありがとうございました。お気に召したならば幸甚です。

(メモ2)

拍手ありがとうございました。

しばらくサンルに集中したいです。