思い出さず(都々逸/エール/先週号&今週号ネタバレあり)
世に完璧な人間などおらず、誰にも欠点はある。
先日入団した新入りも、どうやらその例に漏れない。
「……よう、エース。まだやってんのかよい」
声をかけると、黒い頭がひょいと上がり、そばかすの目立つ顔がにっと笑う。
「マルコか。……ああ、もうちょいだからな」
その手には、大量のわらの山。
もはや一種の建造物のような趣を醸し出しているそれは、先日からこいつが精魂込めて編み上げている、でっかい笠だ。
「精が出るな」
少々皮肉っぽく言ったつもりだったが、単純な若造には通じなかったらしい。
「いやァ、こんなん楽なもんさ、邪魔する奴がいないからな。……弟がいたら、こんなもんじゃすまねェ。あっというまにわらが滅茶苦茶にされること請け合いだ」
おや、はじまった。
オヤジの肝煎りで入ってきた新人は、鼻っ柱も気性も強く、素直で人なつこくて、船内でのウケもいい。
ただ、……ちょいとばかり、弟自慢が過ぎるのが玉にきず。
「おまえはいっつも、弟のことばっかり思い出してるのかよい?」
自慢話の間隙に、もう少し皮肉を効かせてみる。
黒髪の若造は、手を止めないままに笑った。
「いィや。……思い出しゃしねェよ。忘れるヒマがねェからな」
〈思い出すよじゃ惚れよがうすい 思い出さずに忘れずに〉
☆☆☆
いやこれ、サンルで書くつもりだったんだけどさ。
もうなんというか……今週の、「ルフィを殴るなよ」と、「え」を見たら、もうなんかすべてオッケーな気がしてきた。報われた、というか。
ああもうワンピ面白すぎる。テンションあがりまくりだぜ。
というわけで、明日あたりにサンルでも書こうと思います(笑)
ところで、他の感想サイトさんでいまのところ見かけてないようなので、ここに予想を書いておく。
扉を開いたの、じいちゃんじゃね?
(メモ)
拍手ありがとうございました。