緋衣草
「そうだ、子供の頃、よくこの花食ったよな!」
「花じゃなくて、花の蜜を、だろ」
「それだ。……ゾロの誕生日に摘んでやったら、甘いのイヤだって言いやがってさ、そんで花壇の花摘んだから先生に怒られた」
「……コメントしづらい思い出話だな」
園庭に咲くサルビアの花は、炎の色を纏って風に揺れる。
二十年前と同じように。
「食いたいなら、食わせてやろうか?」
「え、食えるのかこれ?」
「花じゃなくて葉っぱだけどな。scarlet sage、ってくらいで、こいつはハーブの一種でもあるんだよ。こういう観賞用のヤツだと、香りは足りないかもしれないけどな──って、なんだよ?」
「……そういうの、くわしいよな、サンジは。やっぱりオンナくどくのに使うのか?」
「バーカ、レディ口説くのにメシの話なんかするかよ。……口説きたいなら、そうさな──」
摘み取った一穂の花を、幼い時からいつも隣にある、黒い髪に挿し込んで。
「?」
「……マリモなんぞに、やるんじゃねェよ。──知ってるか、この花の花言葉は」
ずっとそばにいた。
「『家族愛』と」
ずっとそばにいる。
「──『恋情』」
☆☆☆
nineさまへ。
Wish you all the best for this great day.
曼珠沙華に続いて秋の花シリーズ(?)。
いちおう、そこはかとなく保育園ネタです……。
保育園といえば、旧友ゆうなサンのところで、彗星先生の保育園バトンを見て爆笑しました。
そらー間違いなく保育園じゃねーよゆうなさん!それは昭和の、不良とかが闊歩してる学園だよ!「スケバン刑事」とかの世界だよ!
でもお昼寝するんだ……(大爆笑)!
ところで、某CHAさまからとんでもないものをいただいて……しま……っ!
ナニー!!!マジで!?
うわわわ、メール!メールしなきゃ!
(メモ)
拍手いただいておりました。ありがとうございました!
なにかがお気に召したのならうれしいです。